2016年2月16日

菩提樹と僕ら



今日は休み明け。早朝のゴミ捨て場から見上げた空はきれいだった。今日はどんな日になるんだろう。毎日を楽しみに思える自分になれたらと思う。でも実際は根が暗い。小さい頃から蟻の行列を追いかけて、つまり蟻の行列に参列して、学校に行くのを忘れてしまうような人間だ。



寒いからこそ足を運んで来てくれるお客さんたちの憩いの時間を守りたい。そう思いながら、仕込みはじめるとあっという間に時間が経った。ふと好きな曲がかかって、涙がでそうになった。そう、この数ヶ月ずっと気になっていた。菩提樹に元気になってもらいたかった。オープンからずっと共に在った木だから。でもできなかった。この気温差だから仕方ないと周りは言うけれど、それでも元気にしたかった。「新しい木のことを考えましょう」と植木屋さんに見積もりをもらった。仕込みの時間はいつも自分の心が露になる。



今日はランチが出切った。ランチ以外の軽食も出た。反省が多い1日だった。お客さんを見送りながら、また涙が出そうになった。「きっとまた来てください。その時はきっと。」そう思うけど、”また”なんて、もうないかもしれないじゃないか。できなかったことが目立って、心がささくれる。

どんな時も看板娘は変わらずにいてくれる。今もスコーンを仕込んでいる。この姿に幾度救われているかわからない。



できなかったことは全て自分の中にある。たぶん起こる出来事の1つ1つも、自分の中にある。 お客さんがいるから僕らは成長できる。今は未熟で本当にすみません。今日の反省を無駄にはしません。菩提樹のことも、逃げずに考えようと思います。