反抗期、思春期、いろんな意味で消化不良を起こしていた僕を癒してくれた食べ物がある。ハニートースト。
異常に甘いのに、どこか優しい。別に食べたいわけではないのに、口に運ぶと止まらなくなって結局食べきってしまう。
体も心も厳しさを知らなければならない時、舌は異常に甘いものを求めていた。
これを食べることは、自分が矛盾した人間であることも、思うようにいかないことも、知ることだった。そして何より、そんな僕を、このハニートーストがなだめてくれた。
今だってそうだ。僕が僕のままで、皆が皆のままでどこまで届くだろう。この命を燃料として、体も心も全部を使って生きてゆきたい。矛盾だらけでも、それを見て。理不尽であっても、核を見据えて。答えがでないことを、冒険として。