2016年10月26日

店主の徒然日記


この店のことを気にかけてくれる人生の先輩たち。僕らより年上の、それぞれにしかない生き方をして、歪さを味にしてしまった、一筋縄ではいかない、魅力の塊みたいな、先輩たち。彼らはさりげなくこの店にエールを送ってくれる。不器用なやり方で、当たり前のように何度も足を運んで当たり前のように帰って行く。その愛情のようなものに気づいて、感謝の気持ちが最近止まらなくて、作るもの提供できるものに込めて昇華させてゆくしかない。僕の感謝の気持ちはどろどろした重さを持っていて、それをさらっと紙飛行機にでも乗せて飛ばせるには、人生経験が要るんだろう。

朝起きて、足を伸ばし、何回もあくびして、今日はどんな1日になるんやろう、と思いながら首をならして、ぼーっと陽だまりを見ている時に、自分は何もできない人間だなと思うことがある。何の結果も残せてない、トドの詰まるような今をこえて生きていけるか、自信がなくなる。
そんな時に、次々に彼らが現れる。こんな生き方もあるぞ。こんな歳の取り方があるんだ。こんな笑い方もある。こんな執着の仕方がある。だからこんなに柔軟にもなれる。こんな歪さも味となる。美しさと醜さは共存してる。悪いことだけじゃない。
それはふらふらな僕に、一歩踏み出す勇気を与えてくれとる。

向こう見ずな僕らを、危ない危ない、甘い甘い、と言うのに、頑張れよ、それを続けることや、と背中を支えてくれるのはどうしてですか。僕らも年を重ねれば、あなたたちのようになれますか。
感謝しています。