今日はランチが忙しくなった。忙しくなると不安になる。できてないことが多すぎることを知れてしまうから。早く作れない。待たせてしまう。
僕が作ってるものと同じものを、他の店だったらもっと要領よく早く作れるのかもしれない。それを考えると不安で、申し訳なくて、僕らだけにできることを探す。何がこの店の特別だろう。仕込みは怠けない。気持ちをこめて、丁寧に作る。食材は妥協しない。忙しい中で来てくれるお客さんにできるだけ肉や野菜、バランスよくとってもらえるよう考えてみる。味付けは濃すぎないように意識する。自分が食べたいと思えるものにする。
ランチはこの2年半、変わらずナポリタンランチだけだ。それしかできない。でも、僕らにできるとしたら、この1種類のランチを深めて温めることだろうから。多くは望めない。そんなに僕らは器用じゃない。このランチを、このランチだけだから、愛情を注げている。
不安と有り難さで気持ちが一杯になる。できないことを知ることが辛いけど、来てくれているお客さんを信じて、一つずつ限界をこえてゆきたい。