今日はお店はお休み。
木の絵を描いた。まだ途中だが、背景に夕日が広がっているのが見えてきて、「夕日に立つ木」にした。夕日が空一面に広がる時、すべてを忘れられる感じがある。自分が何者かも、今何をしていたかも、時間とか空間の束縛からも自由になり、自分が自分であることすら忘れてしまえるような。きれいだな、と気づくと涙が出ているような。束の間のそんな時を、この木は過ごしている。
木の幹と根を時間をかけて描いた。そこをしっかり描かなあかん。じゃないと倒れてまう。知らぬ間にそういう危機感が自分の中に育っていた。
木は幹が傷つくと、それを庇ってくるんで巻きこんで、その部分を太くしてゆくと聞いた。傷を治すことなんてできないけど、そのまま丸ごと庇ってくるんでいいなら僕だってやれるかもしれない。歪にはなるかもしれないけど、歪な木も、悪くない。
そんなことを思いながら、幹は太くなっていった。