2014年11月14日

スコーンと看板娘


オープン以来、焼き加減やこね加減や湿度や気温に左右され、試行錯誤を繰り返していたスコーンが、安定して美味しくなってきた。注文も増えてきた。


それもひとえに、看板娘の努力の賜物で、一回に6個ほどしか焼けない事情をかかえながら、よくぞここまでやってきたなと、店主は思っておる。


もちろんまだまだこれからなんやけど、真っ白な顔をして生焼けに嘆き、焼き加減と格闘していたことを思い返すと、目頭が熱く、薄い僕の顔も濃くなっていくのだよ。誰が薄いや。


スコーンに話しかけている様子には、もう驚かない。あまり人に気さくに話しかける子じゃないのに、スコーンには自分から語りかけれるんだ。そんなだから、「スコーンをちょっと持ってみせて」とゆうと、


こんな風にも


こんな風にも、まるで我が子のように、自分よりも美しく見せようとしてくれる。
スコーンよ、君たちは幸せだな。