オープン以来、焼き加減やこね加減や湿度や気温に左右され、試行錯誤を繰り返していたスコーンが、安定して美味しくなってきた。注文も増えてきた。
それもひとえに、看板娘の努力の賜物で、一回に6個ほどしか焼けない事情をかかえながら、よくぞここまでやってきたなと、店主は思っておる。
スコーンに話しかけている様子には、もう驚かない。あまり人に気さくに話しかける子じゃないのに、スコーンには自分から語りかけれるんだ。そんなだから、「スコーンをちょっと持ってみせて」とゆうと、
こんな風にも
こんな風にも、まるで我が子のように、自分よりも美しく見せようとしてくれる。
スコーンよ、君たちは幸せだな。