2016年5月7日

片付ける

本気で片付けをすれば、2時間は優にかかる。水場を掃除して、油場を掃除して、トイレ掃除して、客席を掃除して、レジを閉めて、厨房を閉じて、タオルを干して、道具を磨いて、神棚に手を合わせて。くたくたになってても今日は本気で片付けたい。


近所の田丸さんからいただいたバラの花が開いとる。チャイムが鳴ったらバラを持って立ってた彼女。ゴミ当番を代理でやってくれてる彼女のおかげで、僕らはここに気持ち良く来れてる。そのバラが、ここで綺麗に開いてくれとる。僕らが彼女にできることは何だろうと考えとる。


今日は久々に来てくれたお客さんたちに会えた。来てくれて嬉しかった。仕事が変わったり、出来事が起こったり、色々あるめまぐるしい日々の中で、ふとここを思い出して来てくれる。だから僕らもここの灯りを守りたいし、少しでも前より成長していたい。


GW、多くのお客さんにここで憩ってもらった。感謝の気持ちは、片付けや仕込みに込められてゆくことを知ってる。だから僕らは、無言で片付ける。外に出す言葉が追いつかない。走馬灯のようにお客さんたちとの出来事が思い出しながら。


閉店後、片付け、仕込む。
それはしんどいんだけど、幸せなことだ。僕らの覚悟でもあるから。


今日はスコーンもグラタンもよく出た。疲れた看板娘は自分の荒れた手を隠すけど、僕はそれを自慢の手だと思っているんだよ。