砥部焼というそうです。
口当たりがいい。店主好み。分厚さと重みと、その丸みのある形が、安心感と心地よさをうむ。
この小鉢も、持つとわかる。安定感と、土の強さ。体温がすぐに回る。まっすぐな器だな。
最近じいちゃんが元気ない。ばあちゃんがボケて施設に入ってから、ばあちゃんに会いにいくことも、行けたり、ためらったりしている。色んなことに気を回しているんだと思う。
この器みたいに、僕がどっしりできたら、じいちゃんの話を聞けたら、話しあえたら、何か変わるかもしれない。
西洋の器が多いこの店に、日本の器がやってきた。店をもち、自分で在ることのために、知らねばならないことがある。いや、知ってゆけることがある。それはすでに懐かしく、かつて馴染んでいたものかもしれず。
中から、外から、しっかり立ちたいと思うから。沢田さん、器、ありがとうございます。大切に使います。