朝起きたら、玄関先に光が射し込んでいて、虹色ができてた。きれいだし、なんか嬉しい。
うちの猫はいつからだろうか、猫背な人間みたいな座り方をする。おばあちゃんみたいやな。
看板娘のお母さんは毎年おせちを手作りしている。それを看板娘が重箱に詰める。この時間と作業は、欠かせない大事なものだと思う。
来年がどんな年になるかなんてわからない。今年がどんな年だったかもうまく言葉にできない。ただわかることは、今年もくたくただ。雑煮のお餅のようにくたくたになった。そうやって訳もわからず一心不乱に頑張るしかない時期がある、年齢がある、と誰かが言う。僕はその只中にあるんだろうか。
睡眠をけずってでも、おせちをまっすぐに作るお母さんの姿を見るのは何回目だろう。テーブルに広がる煮しめや、ブリの照り焼きや、なますたちを見るたびに、心が大事だ、志が大事だ、と言われている気がして、背筋がしゃんと伸びるんだ。うちの猫にも見せてあげたい。猫背も、伸びるんやないか。