2015年、最終営業日。
28日に大掃除をしていたこともあって、簡単な清掃で閉めるかと思っていたが、やはりそうはいかなかった。感謝が、掃除や片付けにのっかってきて手が止まらない。道具に話しかて涙ぐんだりしとる。
「ありがとう、君がいなかったら味がひきしまらなかったよ。来年もよろしくな。」
これは塩に話しかけた。面倒くさい人間だな。ぞっとする。
こんな具合やから閉店作業もしこたま時間がかかった。掃除だってもう、綿棒とか使う始末。そのうち松居一代棒のようなものを僕らが開発してしまうんではないか。そっちの方が儲かったりして。……。つらいな、その現実。僕らは喫茶店をやって生きていきたいんだー!
今日のランチ。最後のランチは細川さんが食べてくれた。古くからの付き合いになる。今年一年、ランチには特段力を入れてきた。それを食べきってくれた。ありがとう。
来年のための仕込みに入る看板娘。いつものように、周りの洗い場を整えて、深呼吸して、挑む。今日は朝に仕込むと決めていたけど、朝は寝坊した。のびのび子だ。
「今年はレイニークリスマスだったね。」と突然の発言。
彼女が今年やってきたことは、僕の心を温め続けてくれた。すごいことだ。
珈琲ジェリーと、グラタンを仕込む店主。一人一人のお客さんの顔を思い出せるだけ思い出しながら、目から塩水を流す。店を始めて、感謝が止まらなくなった。それを表すことがままならない。
2015年、ありがとうございました。この店は、中からも外からも育っている気がします。来てくださることが、変わらないものを慈しんだり、変わることへ挑んだり、そうする勇気の源になっているんだと思います。本当にありがとうございます。
来年2016年も、珈琲処ばうむをよろしくお願いします。よいお年を。