2015年5月12日

店の灯り

 
「台風であっても、休むことなど今まで一回もない。仕事が一番。」と、カウンターに座られたお客さんが言った。僕らも変わらず珈琲をたてる。こんな雨風の中でも扉を開けてくださるお客さんがいる。いつものように珈琲を飲んで帰ってゆく。
外が荒れれば荒れるほど、ここの灯りを消してはならぬとゆうような、そんな感じも僕らはなくはない。灯台の灯りのような。勝手な気負いなのだけど。大半の方は、足早に家路に急いでいてこの店の灯りにすら気づかないのかもしれないけれど。灯りはないよりあった方がいい。