砕いたグラハムクラッカーを、底に、
型の底固め。
チーズケーキのホールを仕込む。
混ざりにくいものほど、混ざると艶やかに、滑らかになる。
それが嬉しくもあり、寂しくもあり、
焼けたチーズケーキは、月のように丸い。優しい色をしとる。
この店にはケーキがチーズケーキしかないから、大切に仕込まなければならない。
他の何かを増やすより、この一つを深く作り続ける方が僕の手には合っとる。いや違うな、僕の手はきっとそれしかできない。
器用じゃなくても、真心はこめれると思っとる。
ベイクドチーズケーキが食べたい。そんな人は食べてやってください。ほんとに素朴なものです。ひとときの憩いの時間にそっと寄り添えるようなものになりますように。