あのお客さんに花をもらった。店が早く再開できるように、と。黄色い花。一度終わるんやけど、それは始まりなんや、て思えた。花を買って来てくれたことを思うと、その方が来てくれてた日々を思い出した。彼女もここを喫茶店にしてくれた1人だ。
あのお客さんが娘さんとまた一緒に来てくれた。閉まるまでに間に合ってよかった。カバンとお菓子をいただいた。小さな買い出しができるカバン。お姉さんが作っているという。看板娘がこれからめっちゃ使うんやと思う。使うたび思い出して、元気をもらうんやと思う。再開した店でも使うんやと思う。常連さんが家族を連れて来てくれることは、なんかひとしお嬉しいものがある。彼らもこの喫茶店を育ててくれた人たちだ。
感謝しとるのは僕らの方なのに、なんで。やから、やれることは僕らの全部を使ってやりたい。
あっという間になくなるスコーン。なんでや、なんでや、って看板娘は戸惑うけど、そりゃ美味しいからに決まっとる。毎日作って、愛ががたっぷ〜り詰まっとるやないか。
数に限りがありますが、全力を尽くしておりますので、どうかよろしくお願いします。