今日はしっとり雨が降った。いろんなものが雨に濡れてく。あの日もこの日も。
思い巡ることにまかせると、仕込まないわけにはいかなくて、気づけば2人ともが仕込みを続けてた。
今の僕らにできることは、それしかない。感謝すればするほど、それしかない。店を閉める時間には、くたくたになって、家に帰ると鉛のような体を横たえる。こんな日々を3年間続けて来た。それでもこの店は保てず、一度終わる。
誰も知らなくとも、物語はずっと続いとる。誰に知れなくとも、僕らの物語は続いとる。たとえ僕に知れなくても、終わることなく続いていたそれに、いつの日か気づくんだろう。
この悔しさは、背負っていけるものだろうか。こんなに悔しいことはなかったもんだから、わからんよ。