2016年4月13日

揃えて、並べられた手足


じいちゃんとどさくさに紛れてしゃべり始めてしもた。冷戦期間やったのに。ちょっと距離置いて頭冷やそう思っとったのに。ほんまにどさくさに紛れて、「今日な、仏像ほりに行っとったんや、で、手切ったんや。」みたいなこと言うから、そりゃ大丈夫かいな、みたく、こっちもなるわいな。


机の上にこんなん置いて、
「わし彫ったんや。」って。
え。すごないか、これ。じいちゃんすごいやん。
ってなるわいな。


手とか足とか


もうそないにテーブルにバラバラの部位を置かんでええのに。


さらに、揃えて並べたり、せんでええがな。


「ようやく次から、本体を彫るんや。」って。


じいちゃんは耳が聞こえにくくなった上に、頑固や。でもきっと、色んなことやって経験して超えてきたじいちゃんやからこそ、仏さんの表情とか柔らかい手とか彫れたりするんやろなと思う。

ところでじいちゃん、はよ、その手とか足、大事にしまっといてくれへんか。ここ、カウンターやから。