変わることって勇気がいる。変わることが怖いのに変わらなければいられなくなる。季節はこれだけ変わりゆく。体もこんなに年をとる。月も欠けて満ちてゆく。維持しようとする力もずっと働いとるのもわかるけれど、それを壊して次なるよりよりものになろうとする力も、抗い難いものがある。
来年の店のことを考えていた。どうしたいか語り始めると、根を下ろし始めた木が太陽に向かって届きもしない枝をめいいっぱい伸ばそうとするようで、尽きないものがある。そして儚いものでもある。大きくするつもりもない。他に飾り付けるつもりもない。このまま育ってきたものが、今手にする中身にまっすぐに、それが熟してゆくように。捨てて捨てても尚、残るものを見据えて。